あらすじ_06_23


しばらくの間気まずい沈黙があり、理沙が先に口を開いた。地球へ帰還したら真っ先に駆けつけて自分の気持ちを正直に伝えるつもりだったと
リーダー男に話した。そして事故がなければそのまま一緒に生活したいと思っていたことも。
しかし、今やその願いもかなわず、機械の体を得てこうして一緒の時間を過ごすことができても、しょせんは機械の体。
肉体の3分の2が機械に置き換わり、外見は事故前と同じに見えても、風俗セクサロイドのようなものに愛情をもって接することはできるのか。
しかも、理沙の体には将来のシステム改良を目的に、体の稼働状況をリアルタイムに記録する装置も埋め込まれているのだった。
悲嘆にくれている理沙に、リーダー男は、悪いのは自分の方だと言った。入院中にほとんど見舞いに行くこともせずに寂しい思いをさせたことを。
そして、メンバーから反対があったにもかかわらず、協力会社のとある女性に惹かれてしまって深い仲になり、
子供ができてしまったことを。来月には彼女の家に引っ越すことになっていて、3か月後には子供が産まれる予定だった。



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