あらすじ_09_17


中国の政変による激動の中、米国内では多数の流出技術者の受け入れが始まった。金融業界やシステム企業が技術者の受け皿となり、
太陽系開発事業団にも優秀な技術者がなだれ込んだ。中には土星探査船の設計に携わった人物もいて、理沙はさっそくその技術者と面談をした。
使えそうな人物は目をつけておいて、設立に向けて準備中の木星資源開発局への誘いの言葉をかけたりもした。
残るは予算の問題だけとなった。最初はシステムデザインだけを担当するメンバーで小さく始めて、徐々に大きくしてゆけばいいと理沙は考え、
当初予算も極力小さくして議会を通過しやすいように考えた。議会の重鎮からの助言をもとに考えたうえでの行動である。
メンタル女を中心として動いている次世代システムも、理沙からの入れ知恵をもとに極力小規模で始める想定で議会に予算申請をした。
軍に戻った支援輸送大佐も、理沙とメンタル女の行動を裏から見守り、議員と連絡をとり予算通過をサポートした。
議会当日には、理沙は議事堂の控室で待った。春先にしては夏のように暑い午後だった。



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