あらすじ_10_12


各参画企業への説明が終わっても、落ち着く間もなく次のステップへと進まなくてはならない。最初に着手すべき作業プラットフォーム建設は、
2年以内に着手しないと間に合わず、次には木星ヘリウム3プラントと原子力ラムジェット機の建造、自動増殖ロボットの実用化が続く。
参画企業との技術仕様決定の会議が個別に行われ、建設的な会話はあるものの、いざ引き受けるかの判断となると決断には至らない。
タスクメンバーも毎日いつ終わるともわからない作業のために何人かが過労で倒れた。理沙も限界に近い状態で、
タスクリーダーとの昼食の時には、気がついた時には半分眠っていた。そしてタスクリーダーもまた眠っていた。
会議室に戻った2人は、お互いに疲弊した状態を嘆きながらも、タスクリーダーが不平も言わずに支えてくれていることを理沙はねぎらった。
どんなに肉体的、精神的にきつい時でも、寝れば治るというのがタスクリーダーの信条だった。そして軍士官の理沙を支えなくてはいけないと。
いつか見たような光景だった。ただし、過去の同じ風景では理沙がリーダーに対して熱い思いを感じていたのだが。



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