あらすじ_11_01


理沙の店には徐々に客が入るようになっていた。ほとんどが空港へ行く道すがら立ち寄る客だったが、適度ににぎやかなのがちょうどいい。
その日、理沙は時計を気にしながらドアの向こうに見える客の流れを気にしていた。やがてドアが開いて一人の女性が入ってきた。
理沙はカウンターから出てその女性の上着を丁寧にハンガーにかけて、再会を喜び抱き合った。大佐の孫娘との3年ぶりの再会である。
他の客の邪魔にならないように孫娘はカウンターの隅に座り、理沙は客の相手をしながらも、孫娘と家族の状況のことを語り合った。
やがて客はいなくなり、孫娘は理沙に先日5歳になった娘の写真を見せ、家族3人で山歩きをした話をした。
楽しく家族のことを語る孫娘。理沙はただ聞いているだけだったが、2人の間には穏やかな時間が流れていった。
孫娘がひととおり近況を話し終えると、今度は理沙が昔のことを懐かしく思い出しながら話し始める。
まだまだ気持ちの整理がつくまでには時間がかかりそうだったが、孫娘との思い出だけが理沙の心を暖めてくれていた。



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