あらすじ_11_07


出発の光景を見るのは何度目の事か。「エンデヴァー」の出発の時、作業プラットフォームの出発の時、規模では今回が一番大きい。
生産プラントBだけでもこの規模で、もし本来のプラン通り4つのプラントが木星に出発することになったら、さらに壮観な眺めだったはずである。
L3からの映像に、報道関係者のナレーション。プラントが1年後に稼働を開始した時には、人類のエネルギー問題は恒久的に解消されるはずだと。
しかし、それは大げさな表現だと、理沙は心の中で苦笑いした。今ようやく資源開発計画がスタートしたところなのだ。
2機の原子力ラムジェット機を脇に抱えている生産プラントBを遠くから見ると、遠近感が一時的に狂って小さなトラス構造に見えたが、
原子力ラムジェット機は「エンデヴァー」に搭載されていた機体の3倍近い大きさがある。理沙が見守る中、やがてカウントゼロに。
プラントが無事に木星に向かったことを確認すると、理沙はいったんは肩の荷が降りた気分になった。
木星到着は1年後。同じ頃には理沙も木星に到着しているはずで、生産プラントの稼働テストを現地で見る事のが非常に待ち遠しかった。



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