あらすじ_12_06


大統領選挙はまだ2年先だったが、「エンデヴァー」元船長と選挙後はじめて会った理沙には、傷つきながらも立ち上がったタフガイに見えた。
現実にはメインの事業も傾きかけていて、夫人との仲も落選以来冷え切った状態だったが、会って開口一番、夢のない国の状況を語った。
単身で根無し草の状態から泥臭く這いあがってきた理沙は、夢だけでは食べていけないことを痛いほどよく知っているので、
そろそろ地に着いた生き方で、地道に事業を確立すべきだとたしなめたが、元船長は持論を淡々と話し続けた。
建国300年を迎えたばかりのこの国は、100年周期でフロンティアを語る傑出した人物が出現するということ。
独立時の勇者しかり、エイブ・リンカーンしかり、J・F・ケネディしかり。今回当選した大統領にフロンティアを語る心はあるのか。
残念ながら当選はできなかったが、次のチャンスには必ず次の100年のフロンティアを主題に大統領になってみせると元船長の興奮は止まない。
クレイジーで博打に近いロジックではないか、しかし、ほんの少しだが彼の勝算のヒントのようなものが理沙には見えてきた。



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