あらすじ_12_22


事業団での最後の日は、IDカード等の備品の返却、自分の事務室の片付けで終わった。理沙は長官に挨拶したあと事務室の自分の机の上に
次にこの事務室に入るリーダー向けに、挨拶のメモを残した。部屋を出て出口に向かう廊下を歩くと部下が出迎えてくれた。
ロビーのスクリーン画面には、大統領選に勝利した「エンデヴァー」元船長の姿が。拳を上げガッツポーズを見せて支持者の歓声にこたえている。
前回の敗退のジンクスもあり、今回も負けるだろうと皆がタカをくくっていたところ、いつのまにか現職と拮抗する支持率となり、
投票結果は五分五分の混戦となるだろうと思いきや、蓋を開けてみれば各州からは次々と圧勝の結果報告が。
スクリーン画面から目をそらして、理沙は出口に向かっていった。夢なのかパロディーなのかよくわからない元船長の勝利。
理沙が事業団を退職する同じ日に、元船長は自分の夢を実現して事実上の世界のトップに君臨した。
願わくば混迷の時代の到来にならないで欲しいと思いつつ、理沙は木枯らしの吹いている中庭を歩き、門の外に出た。



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