あらすじ_13_03


タイタンに設営された基地からの突然の報告を理沙が聞いたのは、ワシントンの幹部との会議の場だった。詳細はその場では知らされず、
タイタンの行政官からの詳細説明は、別途設定された個別会議の場で聞かされた。会議はごく限られた人数で行われ、
行政官からの説明の後、理沙にとっては初対面であるシステム解析担当と呼ばれる人物から背景含めた説明が行われた。
1200名の人間が生活するタイタンの基地の存在は、ごく限られた人物しか知らず、理沙でさえも基地を建設しているらしいという事しか知らず、
どんな目的で建設されたのか、真の目的について知るものは事業団はもとより軍の中でも限られた数しか存在しない。
建設目的は、地球からの補給なく独立して生命維持、社会活動が可能かどうかという、将来の長距離航海船に必要なシミュレーションであるが、
小規模ではあるが、閉鎖系社会管理システムの実証実験もテスト項目に含まれていた。チーフエンジニアの名前が読み上げられた時、
理沙の胸は冷たいもので締め付けられた。メンタル女が実験の中心人物であり、彼女は実験中の事故で亡くなってしまったのだった。



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