あらすじ_13_17


夢のような状態から醒めたのか、それとも現実と裏現実が同時進行したままなのか、理沙はホテルの部屋の中でしばらく考えてから
自分自身と中枢システムの今の立ち位置について考えた。どす黒いヘドロのように見えたイメージが何を表しているのか、
自分の周りだけ白いもやのような状態なのは、もしかすると中枢システムが自分を拒否しているのだろうかと思いを巡らせた。
翌日、理沙は司令官のもとに行き、ホテルの部屋の中で見たもの、中枢システムの今抱いているであろう感情のようなものについて説明した。
理沙の予想した通り、司令官は笑い飛ばした。中枢システムが現実と裏現実の混沌とした世界に生きていて、あるべき現実との乖離が生じて、
矛盾が頂点に達した時、現実世界にひずみが表面化する。それが今まで2度発生した事故の原因だと説明した。
このまま放置すれば3度目の事故が起きる可能性も考えられる。では止める方法があるのかと司令官は理沙に詰め寄ったが、
今のところ手段はないと理沙が答えると、再び司令官は理沙と調査チームを罵った。理沙は引き下がることなく司令官を正面から見据えた。



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