あらすじ_16_24


荷物をまとめて、理沙は東京に向かう準備をしていた。しばらくの間は東京郊外のアパートで暮らし、自分の理想にかなう家を探す予定である。
テキサスの家は孫娘夫婦に譲ることにして、余生は自分の生まれた場所に近いところで過ごすことを理沙は考えていた。
机の上にある2つのフォトプレートを手に取り、コンテナに入れる前に、理沙は妹と一緒に映っているフォトプレートをしばらく眺めた。
ちょうど同じ頃、地球/月L3の作業ステーションでは、一隻の軍の工作船が出発の準備をしていた。目的地は太陽/地球L3である。
居住棟のとある部屋で、一人の女性士官が荷物をコンテナに詰め込んでいた。ドアが開き同僚士官がコンテナを運ぶのを手伝いに入ってきた。
女性士官は用意のできた1つのコンテナを彼に示し、通路に運び出すのを見守ると、再び荷物を詰め込む作業に戻った。
机の上に留めてあるフォトプレートを手に取り、しばらく眺めていたが、丁寧にフォトプレートをシートに包んでコンテナに入れた。
女性士官は部屋から出るとコンテナを抱えて出発ロビーに向かう。工作船出発2時間前のアナウンスが場内に流れた。



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