あらすじ_17_01


任期を残り1年というところで、大統領は急死した。世界では変異ウィルスによる感染症が急拡散し、大統領もその魔の手から逃れる事はできず、
一時は危篤状態ではあったものの、快方に向かっているとの報道があった矢先のことだった。直接の死因は感染症ではなく急激な心不全によるもので、
治療が間に合わなかった。大統領の死の報道が全世界、太陽系内に急拡散し、理沙も自宅でくつろいでいるときにそのニュースを知った。
理沙は軍を退役した後、毎年の「エンデヴァー」のOB会にも顔を出さず、大統領が次の任期は出馬しないということはOB会後輩から先日聞いたばかり。
気持ちの整理もついたので来年はOB会に出席しようかと思っていたところだった。自宅でニュースを見ながら、現実の事として受け入れる事はできず、
店でも客の話をうわの空で聞いているような状態。1週間後には国葬が行われ、理沙は店で準備をしながら国葬の様子を見守った。
自分たちの世代が徐々に消えてゆき、新世代に置き換わっていく世の中。今まで実感がなかったものが急に目の前に現実となった。
かねてからの本人の希望で、大統領の遺体の一部は焼却後固められて、深宇宙灯台衛星に積み込まれることが決まった。



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