あらすじ_17_15


開発局の定例会議に理沙は自宅から週2回参加し、新型宇宙船の建造状況についての報告を受けた。太陽/地球L3に運ばれた小惑星は
見た目には変化がないように見えるが、内部をくりぬいた巨大な空洞の中で宇宙船が建造されているはずだった。
小惑星の近くに係留された工作船が作業の進捗を見守り、タイムラグのある場所から進捗状況のデータを送ってきている。
軍側の窓口となり、開発局との定例会で顔を見せていたのは揚陸艦プロジェクトの頃からのリーダーである少佐。理沙の元部下である。
理沙が開発局側の人間として参画していることは、彼にとっては明らかに気まずいようで、軍に振り回されていた状況は長官の目論見通り逆転した。
少佐の説明では、船体の構造はほぼ完成していて、システムの連携テストを実施中との事。工作船は作業の状況を見守るだけで、
実際にはすべては大量の自己増殖ロボットが作り上げた自動化プラントが行っている。1800メートルもある宇宙船は3年弱で完成しようとしていた。
少佐の説明では、時々実施責任者という言葉が登場していた。現地で作業指揮をしている士官との事だが、詳細について触れることはなかった。



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