あらすじ_17_18


新型宇宙船に関しては、仕様含めた技術的な情報は既に理沙のもとに届けられ、内容はすべて把握していたが、そもそもの建造の目的については
意図的にではあるがまだ説明が行われていなかった。軍が進めていた揚陸艦プロジェクトがなぜ発展型として実施される事になったのか説明が始まる。
地球国家の権力争いは、20世紀の2度の大戦で頂点に達し、一時は人類存亡の危機に直面したものの、その後の国家間の歩み寄りで
危機は回避された。しかしそれは表面的なもので、21世紀になると巨大グローバル化の流れでさらに巨大化した国家権力が地球全体を振り回した。
そのうちの一つの巨大権力は、自らの力により滅びを迎えたが、残った米国も巨大化した力を制御する能力を失いつつあった。
さらには使いつくした地球上の資源、悪化する一方の地球環境汚染。木星の資源インフラが地球国家を支えるまでに成長したものの、
次に打つ手を考えておく必要があった。地球/月L4ではスペースコロニーの建設がまもなく完了しようとしていたが根本的な解決策とは考えておらず、
最後の生き残りのためのオプションとして、巨大宇宙船が建造された。近い将来作られるであろう恒星間移住船のプロトタイプとして。



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