あらすじ_19_07


削減よりも発展を目指すべきだと理沙は考え、現状分析を踏まえたうえで政府向けの提案を行政官と数人の幹部メンバーを集めて会議をした。
木星では、8つの作業プラットフォームと、3つの宇宙港、合計で3万人近い作業関係者が生活していた。政府の考えでは最小限の人員を残し、
極力省力化、自動化を目指すべきだ主張していたが、理由として生活物資の調達がネックになっていることが挙げられていた。水資源、食料等。
現在は核融合燃料を輸送する貨物船が、地球から木星への帰途に輸送することで対応しているが、木星で調達できれば一気に解決する。
水は衛星エウロパ、ガニメデ、カリストに水精製プラントの建設が計画中。食料もタイタン基地での生産プラント技術が流用できれば解決する。
コストが要因で政府はなかなか実施承認しないだけだった。理沙は幹部メンバーからの情報を聞いて、長官からの最初の説明と違和感を感じた。
現場へのてこ入れは全く不要、てこ入れが必要なのは政府の方だと理沙は考えた。現場を生かさず殺さずの状態にとどめたいのが政府の考えのようだった。
会議終了後、行政官から将来に向けての技術開発の成果を見せたいと言われ、理沙は翌週に視察のスケジュールを入れた。



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