あらすじ_19_13


行政官はまとめ終わった事故レポートを長官に向けて送った。理沙からは記載内容についてのアドバイスはもらったものの、
今回の事故の真の原因が、ごく些細でかつ初歩的なものであることに唖然とし、非常にショックを受けていた。心理的なものが要因とはいえ、
故意のミスの理由にするわけにもいかない。自室で天井を漫然と眺めつつ、次に起こることについて考えた。張りつめていた気持ちが一気に萎えてしまう。
まず出来る事から始めようと行政官は部屋を出て、会議を招集した。飛び去った3人の捜索を指示し、破壊された区画のその後を確認する。
宇宙港2は3日間の閉鎖後にサービスが再開された。増設部分の再接続は承認が下りるまでの間は無理そうなので作業区画に仮接続して
今後の事を考える事にした。何がしかの処分はあるだろうと考えたが、レポートを送付したその日は本部からの目立った反応はなく、
異様な静けさがかえって恐ろしかった。翌日に長官からようやく返事が届いたが、作業員3人の冥福と、2次災害回避のための助言、
発着ターミナル再接続の再計画。そして行政官が一番恐れていた予算計画の見直しの知らせが届いたのは事故4日後の会議中だった。



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