あらすじ_22_12

大統領に対する理沙の直談判は管理職の間で騒動に発展した。現場の印象が悪化すれば管理職どころか現場のリストラも加速しかねない。
管理職メンバーの会議は紛糾し、直子と大佐からは相談もなしに軽率な行動をしたことに対して苦言が出た。しかし今日の会議は以前と異なり、
理沙に対して擁護するとも思える発言もあった。出過ぎた行動だとの行政官代理からの発言に対しては、判断が遅く様子見しかしない無能が指摘され、
首を覚悟しながらも現場のために体を張っている理沙の行動には評価する発言があった。生産現場管理職の一人から突然に長距離レーザー発振基地の
真の意味について尋ねられ、理沙は直子と大佐の方を見つめたが、もう今さら内密にする必要もないだろうと考えの背景含め全て説明した。
長期的目標として、太陽系内の各居住地は独り立ちすべきで、地球に頼らない生活基盤の確立と、自主独立の意志を示すための象徴が必要で、
長距離レーザー発振基地はそのためのものだと。会議室の空気が一気に緊張し、意見の対立は理沙を中心とした覚悟に変わっていた。
説明を終えて胸につかえていたものがなくなったが、さて、次はどうしようかと理沙は管理職一同を見渡しながら考えた。



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