あらすじ_22_16

行政官の行動が非常に速かったので、現場での反乱はすぐに政府に伝わり、理沙は事業団長官から、直子と大佐は上官及び国防長官から
それぞれ叱責された。現場は粛々と生産活動に専念し、混乱も特に発生していないことを理由に理沙は現場の自由を認めて欲しいと訴えたが、
聞き入れられなかった。行政官の選挙の日が決まり、現場から漏れ聞こえる噂では理沙と直子含めて10人近い管理職が候補となっていた。
理沙と直子は、どちらかが選出されたとしても協力はすることを互いに約束した。先日の理沙の会議室での発言に直子も覚悟を決めたのか。
しかし、現場全体を見渡すと、おおよそ2つのグループに分かれているように見えた。一つは生産現場の職員のグループ。
地球国家のエネルギーインフラを支えている自負が常にあり、生産現場の初期の段階から参画している理沙に対する信頼は厚かった。
対して、宇宙船乗組員と物流サービス部門の職員グループは、宇宙船の建造以前から軍のタスクに参画し、宇宙船のすべてのシステムを
掌握している直子に対して心からの信頼を寄せていた。どちらか一方が行政官になるだろうという予想が既に現場の空気を支配していた。



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