あらすじ_25_25

プロキシマBへ出発した15隻の宇宙船。しかし地球ではその後の技術革新で量子真空エネルギーが実用化され、宇宙船の推進システムは更改された。
プロキシマBへの到着は予定の半分以下の70年後。人工冬眠中の住民は起こされることなく、プロキシマBを周回しながら宇宙船はさらに拡張した。
1つの宇宙船が2つに、4つにと、細胞分裂するように増え続け、互いに別々の目的地に向かい、太陽系出発200年後には到達した星は100を超え、
その間に住民自身も変化を遂げていた。はたから見れば普段通りに生活している人間たちだったが、実態はシステム空間の中にだけ存在し、
年をとることもなく、ひたすらさらに遠くへ遠くへと星々を目指した。さらに1000年、2000年があっという間に過ぎ、気がついた時には
宇宙船の住民自身は宇宙船と一体となり、出発時とは全く見た目が異なる存在に変化していた。住民自身は気がついていなかったが。
一方地球では地球再生プランが粛々と進み、数えきれないほどの軋轢と闘いがあったが、巨大な意志の力がそれらを押しつぶした。
互いに異質な存在に変化してしまった地球民族と宇宙民族。しかしながら心の底ではいつでもお互いを想い、再会することを願っていた。



あらすじ(25)表紙へ