システム概要

火星への有人探査が始まってから、5年が経過しようとしている。
15年以上の準備期間も含めると、20年の間、私たちはこの課題に取り組んでいることになる。
その課題とは、距離の問題である。

行動範囲が、地球周辺軌道にとどまっており、遠距離探査が無人探査船に頼っているころには、
これはそれほど重大な問題ではなかった・・・・・・・・・生死がかかっていないということにおいては。

しかしながら、これからは有人探査が活発に行われるようになり、火星以遠を目指している今後の探査計画において、
距離の問題をなんとしてでも解決する必要性が出てきたのである。
すくなくとも、SOSを発してから返事が返ってくるのに30分かかるようでは話にならない。

そのためのシステム構築ということで、光の速さを越えられないという点は除いて、
いままでの概念をさらに拡張したシステムを提案したいと考えている。
つまりは、
・・・・・・・必要なときに、いつでも・・・・・・・・コンタクトできるようなシステムである。
どこにでも存在するが、決められた中心を持たないということで、これは今までとは異なる考えのシステムである。



<第一段階>

私たちの太陽系は、直径が120億キロメートルの大きさを持っている。
そこに、たくさんのノードを敷設する・・・・・・・・・・・・これはシステムの一つ一つの分身である。
そして、これらが互いに一番近いノードと常に連絡をとっている。
各ノード間を常に数千万キロメートルの距離を保つようにしていれば、ノード間は数分で連絡が取れる。
いわば灯台のようなものを構築してゆくわけで、これが第一段階である。



<第二段階>

ノード敷設と同時に、太陽系全体を網羅する座標情報を制定する必要がある。
太陽を中心とし、太陽が銀河系の中を進行する進行方向を基準軸とした3次元座標を制定し、
各ノードに対してその座標を認識させ、各ノードは正確な位置情報をお互いに交換する。
これにより、近くを航行する宇宙船は各ノードにアクセスすることにより、自分自身の正確な位置、速度を知ることができる。
なお、座標情報については、分類を以下の通りとし、状況に応じて使い分けるものとする。
座標系 座標定義
太陽系共通座標系 太陽を中心とし、太陽の進行方向を基準線とした3次元座標
惑星共通座標系 太陽系の各惑星を中心とし、太陽の進行方向を基準線とした3次元座標
ローカル座標系 各惑星/周回する衛星の表面を基準とした、相対的な座標


<第三段階>

各ノードを、有機的に結びつけること。
これにより、太陽系全体に敷設したノードは、全体としてひとつのシステムのような状態になる。
光の速度を越えられないゆえ、情報の伝達には限界はあるものの、中央のシステムの力を借りないで判断をすることができる、
非常に柔軟なシステムが実現するはずである。
たとえば、各ノードに自分の近くを航行する宇宙船の情報を常に認識させ、かつ、ノード間でお互いの情報を常に交換しているならば、
交通官制のようなものが可能になるはずである。
宇宙船がどうしたら最適な航路を取ることができるか・・・・・・・・・・宇宙船のシステムと交信し、その情報をノード間で交換して、
宇宙船に対して適正な航路を指示する。


そして、その次の段階として考えているのが・・・・・・・・・・・・・・。


                                                      − 次期システムに関する提案書(2028) −



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