目的と計画概要
探査船「エンデヴァー」での、木星および土星探査の目的および計画概要について説明します。
【目的】
核融合資源開発のために木星が利用可能であるのか調査する事が当計画の目的である。
核融合エネルギーは2030年代には技術上実用の域に達したが、地球上にある水素を利用するにはまだ技術的課題事項が多く、
月のヘリウム3資源開発が行われ、2050年代には商業的に利用可能となるロードマップ作成はできたものの、月の資源量には限りがあり、
月よりもさらに大量のヘリウム3が含まれると想定される、木星大気中からの採取/加工/地球への輸送が可能であることを実証するのが、
「エンデヴァー」に与えられた課題である。
「エンデヴァー」は木星本体を調査し、大気中のヘリウム3含有状況を調査するとともに大気サンプルを採取。
衛星の水資源調査により、地球からの補給に頼らない現地調達/現地消費体制構築が可能である事の実証。
さらには土星にまで足を伸ばし、木星を起点とした太陽系内深宇宙航路の開拓をする事。
「エンデヴァー」での調査および技術開発は、続く本格的な木星開発計画に向けてのしっかりとした足掛かりになることを期待するものである。
【「ディスカバリー」計画からの反省】
2040年代の宇宙船「ディスカバリー」による木星探査計画は、当「エンデヴァー」計画同様に木星の資源開発のための事前調査を目的としていたが、
アクシデントにより計画は未達となった。ここでは「ディスカバリー」計画でのアクシデント内容の詳細について改めて触れないが、
「ディスカバリー」計画で発生したアクシデントから反省し、「エンデヴァー」では以下の改善を行う。
1.核融合推進システムを実用化し、宇宙船の機動力を強力なものとする。地球~木星間を2か月程度で航海可能とする。
2.十分すぎる装備と、非常事態発生時でも現場で問題解決および復旧が可能な体制とする。
【計画概要】
当計画では、探査船「エンデヴァー」を中心として木星/土星での多角的な調査および技術試験を行う。
以下に示すいくつかの宇宙船が「エンデヴァー」に搭載されており、
将来の核融合資源開発のための木星の調査、資源利用のための衛星の調査、木星/土星のフィールドでの各種技術試験等、
各々が目的に従い使用される。
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<探査船「エンデヴァー」> 当計画の中心となる宇宙船 核融合推進システムを搭載した宇宙船のプロトタイプ 全長:320m 総重量:7,800,000kg(7,800トン) 乗組員:12名 最大速度:250km/s |
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<航行用灯台衛星> 木星周回軌道上に配置され、高精度の位置情報を提供する JGPS(Jupiter Guide Positioning Satellite)のプロトタイプ 全長:12m 全幅:15m 全高:5m 総重量:4,500kg(4.5トン) |
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<小型着陸船(3人乗りSSTO)> 大気のない天体に着陸し調査を行う、3人乗り小型宇宙船 木星の衛星エウロパ/ガニメデの調査を想定したもの 全長:6m 全幅:6m 全高:12m 総重量:31,500kg(31.5トン) |
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<原子力ラムジェット機(木星大気採取実験用)> 木星の上層大気に突入し上層大気を採取 上層大気中に含まれるヘリウム3の含有量を測定する 全長:33m 全幅:38m 全高:7m 総重量:52,000kg(52.0トン) |
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<無人着陸探査機> 衛星エウロパ/ガニメデに着陸し、有人着陸船の為の 着陸ポイントの先行調査および表面の氷/水資源調査を行う ※以下は着陸船部分(左図の左側)のスペック 全長:2m 全幅:2m 全高:4m 総重量:4,200kg(4.2トン) |
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<小型着陸船(3人乗りリフティングボディSSTO)> 大気のある天体に着陸し調査を行う、3人乗り小型宇宙船 土星の衛星タイタンの調査を想定したもの 全長:20m 全幅:14m 全高:10m 総重量:38,500kg(38.5トン) |
【航海スケジュール】
「エンデヴァー」の最初のミッションは以下のスケジュールにて実施する。
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【事業化に向けてのスケジュール】
「エンデヴァー」での事前調査結果は、木星核融合資源開発のためのタスクに引き継がれ、
2060年代半ばから本格的に始まる、現地作業用のプラットフォーム建設や核融合燃料生産プラントの建設へと反映される事になる。
以下に、2060年代の調査段階から事業が本格的に稼働を始める2080年代までの事業化スケジュール(概要)を示す。
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