太陽系内交通ネットワーク体系

今までに説明した太陽系内の交通インフラについて、体系化して以下にまとめました。
2090年時点で、太陽系内の以下の交通インフラが運用されています。その他にも、火星/木星間の小惑星帯、土星よりも遠い惑星への調査は進められていますが、
まだ体系化されて運用されている交通インフラが確立していないので、ここでは省略します。


【交通インフラ体系】
1.地上/地球周回軌道間
2.地球/月間
3.地球/火星間
4.地球/木星間
5.火星/木星間
6.木星/土星間

太陽系内交通ネットワーク体系:2090年時点

【地上/周回軌道間】

地球の大気圏/重力を脱出を脱出する必要があるので、まだ燃焼式のロケットエンジンを使用した宇宙船が使用されています
推進システムは、酸素/メタンの燃焼方式が主流です。メタンは大気中の二酸化炭素と水から生産され循環型の生産方式が確立しています。
原子力推進は大気汚染の懸念があること、核融合推進についてはまだ実用化の域に達してはいないため使用されていません。

輸送インフラ体系(地上/地球周回軌道間)
<輸送システムの体系>
■旅客輸送
  ・8人乗りシャトル : 再利用型ロケットで単独、またはHeavy-Lifterの背中に乗せられて打ち上げされる。少人数用。
  ・100人乗りシャトル : 再利用型ブースターを使用し単独で打ち上げされる。100人程度の旅客/貨物輸送兼用。

■貨物輸送
  ・Heavy-Lifter : 1,000トン~2,000トンの貨物を低コストで大量輸送する。単段式の再利用型ロケット。


【地球/月間】

地球の大気圏外であるため、様々な推進方式のロケットエンジンを使用した宇宙船が使用されています
地球周回軌道と月周回軌道を結ぶ軌道間では、効率のいい比推力可変型プラズマ推進システム(VASMIR)が主流です。
月周回軌道から月への離着陸には、酸素/メタンを使用した燃焼式の推進システムの宇宙船、原子力推進の宇宙船が使用されています。
輸送インフラ体系(地球/月間)
<輸送システムの体系>
■旅客輸送
  ・100人乗りシャトル : VASMIR推進ユニットを連結して、地球周回軌道と月周回軌道のプラットフォーム間を連絡する。
  ・50人乗り地球/月間連絡船 : VASMIR推進ユニットを連結して月周回軌道に向かい、上部の着陸船のみを使用し月への離着陸を行う。

■貨物輸送
  ・重量物輸送用カーゴモジュール : 地球/月の周回軌道間はVASMIR推進ユニットを使用し、月への離着陸は上部の着陸ユニットを使用する。
  ・Heavy-Lifter : 1,000~2,000トンの貨物を地球周回軌道から月へと輸送、または月から地球周回軌道へ輸送する。


【地上/火星間】

地球/月間と比較して遠距離であるため、時間短縮のためにVASMIRおよび核融合推進システムを使用した宇宙船が使用されています。
火星周回軌道から火星への離着陸には、酸素/メタンを使用した燃焼式の推進システムの宇宙船が使用されています。

輸送インフラ体系(地球/火星間)
<輸送システムの体系>
■旅客輸送
  ・惑星間定期連絡船 : 核融合推進システムを使用し、地球/火星の周回軌道間を2~3週間で連絡し400人程度の乗客を輸送する。

■貨物輸送
  ・重量物輸送用カーゴモジュール : 地球/火星の周回軌道間はVASMIR推進ユニットを使用し、火星への離着陸は上部の着陸ユニットを使用する。
  ・地球/火星間定期連絡船 : VASMIR推進ユニットを使用し、地球/火星の周回軌道間を2~4か月で大量の貨物を輸送する。
  ・標準型コンテナ輸送船 : 核融合推進システムを使用し、50トン標準型コンテナを100個~300個輸送する。


【地球/木星間】

地球/火星間よりもさらに遠距離であるため、時間短縮と大量輸送のために核融合推進システムを使用した宇宙船が主流となっています。
2080年代半ばには、木星の核融合燃料生産体制がフル稼働することになったため、木星から地球/月/火星/木星への水素/ヘリウム3輸送が本格化します。

輸送インフラ体系(地球/木星間)
<輸送システムの体系>
■旅客輸送
  ・惑星間定期連絡船 : 核融合推進システムを使用し、地球/木星の周回軌道間を2~3か月で連絡し400人程度の乗客を輸送する。

■貨物輸送
  ・標準型コンテナ輸送船 : 核融合推進システムを使用し、50トン標準型コンテナを100個~300個輸送する。
  ・核融合燃料輸送用タンカー : 核融合推進システムを使用し、水素/ヘリウム3標準型カートリッジを100個~150個輸送する


【火星/木星間】

地球/木星間と同様に、時間短縮と大量輸送のために核融合推進システムを使用した宇宙船が主流となっています。
輸送インフラ体系(火星/木星間)
<輸送システム体系>
■旅客輸送
  ・惑星間定期連絡船 : 核融合推進システムを使用し、火星/木星の周回軌道間を2~3か月で連絡し400人程度の乗客を輸送する。

■貨物輸送
  ・標準型コンテナ輸送船 : 核融合推進システムを使用し、50トン標準型コンテナを100個~300個輸送する。
  ・核融合燃料輸送用タンカー : 核融合推進システムを使用し、水素/ヘリウム3標準型カートリッジを100個~150個輸送する


【木星/土星間】

地球/木星間と同様に、時間短縮と大量輸送のために核融合推進システムを使用した宇宙船が主流となっています。
輸送インフラ体系(木星/土星間)
<輸送システム体系>
■旅客輸送
  ・惑星間定期連絡船 : 核融合推進システムを使用し、木星/土星の周回軌道間を2~3か月で連絡し400人程度の乗客を輸送する。

■貨物輸送
  ・標準型コンテナ輸送船 : 核融合推進システムを使用し、50トン標準型コンテナを100個~300個輸送する。
  ・核融合燃料輸送用タンカー : 核融合推進システムを使用し、水素/ヘリウム3標準型カートリッジを100個~150個輸送する



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