店内は開店直後の静けさを抜け、同伴で戻るキャストや外国人客を含む団体客で、本来の夜の顔を見せ始めていた。
理沙が恵梨香の席を離れると、黒服から「ママが呼んでいる」と告げられる。
視線の先には、フロアには出ず、店全体を見渡せる位置に立つ彩名がいた。
理沙は彩名に促され、スタッフルームを抜けてビルの共用通路へ出る。
そこは店内の熱から少し切り離された、音だけが鈍く響く場所だった。
彩名は、先ほどの恵梨香の席について理沙に問いかける。
理沙が「盛り上がっていた」と答えると、彩名は、客が増えれば欲も増え、客、キャスト、黒服のどこかが傾けば店は崩れると静かに語る。
恵梨香の強さを認めながらも、その強さが勘違いにつながる危うさを示し、理沙に意見を求める。
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