HALUCAの小川美奈に返信したまりあは、来週土曜日に柴原社長と面談することになり、落ち着かない気持ちで小川からの返事を眺めていた。
さらに、当日は持ち歌を一曲聴かせてほしいと求められ、まりあは何を歌うべきか迷う。
配信サイト上の代表曲ではなく、もっと自分に近い曲を選ぶべきではないかと考え、過去に作った詩や曲のファイルを開いていく。
そこには、学生時代、就職、夜勤明けの日々、母との思い出、母を亡くした後の孤独など、まりあの人生の断片が残っていた。
やがて彼女は、初めて作った曲らしい曲「誰のために歌うわけでもなく」に目を留める。
拙く未熟だが、その歌には、今も変わらない自分の原点があった。
まりあは、この曲をHALUCAに持っていこうと決める。
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