あらすじ_01_05


店からそれほど離れていないところに、東京湾が良く見える展望デッキがあった。
閉店して最寄りの駅まで行く途中、理沙は時々そこで東京湾の夜景を眺めることがあった、はるか先には工事中の人工島が。
工事中のライトが人工島に建設中の巨大な建造物を浮かび上がらせている。世界を結ぶ極超音速旅客機の発射場らしい。
ふと辺りを気にすると、近くでエアギターの練習をしている人が。なんと先日店で会ったあの客だった。
彼の方も理沙の事を覚えていて、しばらくの間理沙は彼の華麗なパフォーマンスを眺めていた。
別にアーティストを目指しているわけでもないのだが、見ていて楽しい彼のパフォーマンスに理沙はしばし夢中になった。
また店で会おうねと、いつもの調子で理沙は彼に言って別れたが、理沙の心の奥では何かが気になっていた。
再び店に彼が現れたのは1週間後のことだったが、いつもの仕事仲間と一緒。そして席を一緒にした2人の会話には特に進展はなかったが。



あらすじ(1)表紙へ