あらすじ_01_07


若社長の来店の頻度が増えてきて、理沙の指名料は比例して増加し、店外で会うこともしばしば、
店での売り上げ実績もトップに肉薄した2位にまで上昇し、理沙の実績を認めてきたキャストも何人か。しかし理沙は今まで通りに振舞っていた。
妹の直子から久しぶりに連絡をもらったのはそんな頃だった。久しぶりで会おうと約束して、10日後に2人は横浜で会った。
夕食を一緒に食べて、気分の落ち着く港の見渡せるラウンジで、直子が早速話し始めたのは両親の離婚の事だった。
家を出て東京で生活するようになった1年半の間、直子と電話で時々会話する時にはそんな話は全くなかったのだが、
そもそも親の違う姉妹である理沙と直子、特に前妻の娘である理沙と今の母親との間の不仲が家出の直接の原因であったものの、
両親までもが不仲となり結果として離婚というところにまで発展した事に、口にはしなかったものの妹が自分に対して強く訴えたい事を理沙は感じていた。
次はいったいいつ会えることになるのだろうか、駅に向かっていく直子が何度も振り返るのを理沙はしばらく眺めていた。



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