あらすじ_02_01
探査船「エンデヴァー」の木星への出発3週間前。L1作業プラットフォームに係留中であるが、出発準備のため船内電源への切り替えを行う日を迎えた。
12人の乗組員は、全員がメイン業務/サブ業務を担当しており、理沙は女性観測員の副担当として動力システムの管理をすることになっている。
核融合炉の起動シーケンスを彼女と一緒に見守る理沙。起動は全く問題なく完了し、あすは推進システムの出発前点検を実施することになってる。
理沙が自分用の個室で推進システムに関する操作マニュアルをチェックしていると、船内放送で音楽が流れてきた。
乗組員各自設定した音楽プログラムを、自由に流すことのできる時間帯が2時間ほどあり、ジャンルはさまざまだった。
流れてきた曲に、理沙はふと手を止めて聞き入っていた。なつかしい曲だった。あれから何年経ったのだろう。
かなり昔の事なのに、つい先日のような気がする。その曲のことを思い出すと。
ふと目を閉じて、理沙はいつの間にか鼻歌を歌っていた。