あらすじ_02_10


若社長とギターリーダーはしばらくの間言い争いになったが、喧嘩にまではならず、その夜はギターリーダーは理沙を自宅近くまで見送ることになった。
結果発表当日となり、審査結果が発表され一番最後に歌った女性歌手が採用されることになった。
不合格とはいえ、理沙はほっとした気分になった。あの女性歌手の歌唱力は自分とは格が違いすぎる。そして彼女の合格を理沙は嬉しく思った。
バンドメンバー4人は今日もライブハウスで歌う。まるで何事もなかったかのように淡々と。そしてステージが終わって4人は話し合う。
これでよかったのだ、と理沙は自分の考えを述べた。そしてもっと練習して技術を磨いて、次のチャンスを狙う。
何年先の事になるかわからないが、同じようなオーディションはどこででも探せばあるし、今はまだ客の人数は少ないが着実にファンは増えている。
ギターリーダーも彼女と同じような考えだった。若社長の資金協力の件は考えないことにした。
どのように断るか言葉を考えた後、理沙は若社長に連絡を入れた。しかしその夜は彼と連絡がとれなかった。



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