あらすじ_03_01


探査船「エンデヴァー」は出発した。L1作業プラットフォームから地球に向けて落下し、地球の重力アシストで加速するコースをとる。
推進システムのフル稼働30時間前。準備は完了し、理沙と女性観測員が自分の部屋に戻ろうとしたところ、船長から集合アナウンスがあった。
彼は神妙な面持ちで会議室で待っていた。乗組員全員に向けて、今回のミッションについての説明が行われる。
当初予定の、木星の学術調査、太陽系定期航路開設のための準備については、作業期間は半分に短縮。その後土星に最速で向かいタイタンに着陸する。
このミッション変更には、つい最近木星と土星に調査船を向かわせ、衛星に着陸することで、領有権を主張する中国の急な動きが背景にあった。
エンデヴァーが木星と土星に最速で向かうことは、将来の軍の輸送システムの試験も兼ねていて、軍が裏から圧力をかけていた。
今回のミッション変更を担当するために、調査員の一人が派遣されたのだが、軍からのプレッシャーに精神的に耐えきれず体調不良となり、
代わりに急遽派遣されたのが軍人である理沙だった。会議室に緊張した空気が漂い始める。



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