あらすじ_03_03


日勤と夜勤が交互にある毎日。理沙は交通管制システムの監視室で、システムに異常がないかひたすら画面をチェックする。
管制業務は完全に自動化されているので、実際の管制業務で人間がかかわることはない。システム自身が出来ないシステム自身のメンテナンス、
故障があった部品を取り外して新品の部品と交換し、交換完了をシステムに通知する作業。ひたすらその繰り返しの毎日。
そんな生活には1ヶ月ほどで慣れたが、システムにすべてを支配されているこの仕事には先がないということを実感していた。
自分が支配されるのではなく、自分自身が状況を支配しないとだめだ。そのためには仕組みを理解することだと理沙は考えた。
シフトで疲れていても、以前昼と夜の仕事を掛け持ちしていた頃と比べればまだましで、理沙は自分がかかわっているシステムについて、
全体的な仕組みと動作原理を説明している資料を見つけ出し、少しづつ読み始めた。
仕事中には、監視室で単に異常をチェックするだけでなく、管制業務の動きも横で眺めていた。興味は徐々に深まってゆく。



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