あらすじ_03_14
東京での仕事で貯めた貯金は、地下アイドル時代、そして渡米してからの生活で徐々に目減りしてゆき、今や底を尽きかけている。
今の仕事は、ロサンゼルスでの仕事と比べると給料は上がったものの、ルーチン化している仕事の単価は安く、
そんな中でも技術士官になるための勉強や、トレーニングジムに通うための費用が日々の生活を圧迫していた。
やがて、理沙はジムに通うのはやめて自作メニューと道具でトレーニングをすることにした。港の夜景を見ながら毎日10キロを走る。
夜の飲み屋でのアルバイトも探してみたが、ロサンゼルスとは客層が違うのか、雇ってくれるところは見つからない。
適正試験の試験日まで残り10日程となった。職場の同僚数人が理沙を応援するとささやかなパーティーをひらいてくれた。
同僚の一人の女性は、兄も連れてパーティーに参加していたが、その兄は空軍の下級士官。彼は士官を目指す理沙の事を激励し、
試験にあたっての心構えを語ってくれた。しかし、理沙の心にはその言葉は届かなかった。彼は理沙の好みのタイプの男性だった。