あらすじ_04_01
朝は突然に始まる。士官学校生活も1週間たつと体が自然に起きてしまうものだ。
初日の新人いじめの洗礼にめげている暇もなく、翌日からは綿密にスケジュールされた技術カリキュラムと大量の課題。
朝は起きるとすぐに10キロの走り込みから始まって、朝食後は午前、午後の授業、夕方になって少々涼しくなったところで
軍事訓練が始まり、ナイター用照明がつけられて2時間文字通り地を這うような訓練。そして部屋に戻れば翌日の授業の準備。
1週間は6日間のサイクルで、日曜日は朝の礼拝後はフリーな時間。しかし、最初の1週間で理沙は疲れ果ててしまった。
事前に体を鍛えていてもこの体たらくといったところで、しかも、同じ部屋の同僚は理沙とはほとんど口もきかない。
そんな精神的な重圧を、授業の勉強に打ち込むことで気分を紛らわせる。あとは一日に一度は試験会場で会った女性と雑談するくらいだ。
いったいこの状態がいつまで続くのか、その夜もベッドでぼんやりと考えながら徐々に意識が遠のいていった。