あらすじ_04_07
落ち着いて考えればすぐにわかる事だった。技術士官に必要なのは技術であって、軍事訓練の成果は副次的なものでしかない。
理沙が教官から得たのは、修了試験の配点についてだった。軍事訓練の成果は総合得点の10パーセントに過ぎず、
技術研修での成果と随時提出を求められるレポートの内容が成果のすべてだった。訓練兵チームは一般枠チームを蹴落とす事しか興味がなく、
本来技術士官に求められるものに注力することを考えていなかったのだ。当然の結果として訓練兵は兵として今後も歩み続けなければいけない。
3人は修了式後にお互いの今後の成功を祈り、各々の次の研修コースに向かう。
理沙は修了試験の配点について教えてもらった教官と廊下で会った。教官は理沙が発揮したリーダーシップについて賞賛し、
今後の進むべき道についてアドバイスをしてくれた。昨今の下級士官の規律低下に懸念を抱いていた軍は、一般枠採用を創設し、
一般枠と訓練兵を互いに競わせることで、次のエリートを見つけ出すことを画策していた。そして理沙たちはその期待に見事に応えたのだ。