あらすじ_04_10


同僚は、その女性歌手に対する想いについて淡々と語り始めた。東京に一時期滞在したこともあり、ちょうどその頃に彼女の曲に触れ、
一気に彼女の曲の虜になってしまったようである。ドーム会場でのワンマンステージは直接見れなかったものの、
場外ライブ配信で観たとのこと。そしてその直後の彼女の訃報。彼は失意のどん底に落とされてしばらく立ち直れなかったとのことだ。
まさかこんな所で彼女のファンに遭遇するとは思ってもいなかったが、理沙の話はそこで終了となった。
気まずい雰囲気とともに、彼に対する理沙のひそかな思いもそこで終わった。彼は外見の逞しさに対して、内面は繊細で脆かった。
その後も研究期間は続き、残り6か月は瞬く間に終わった。理沙は研究とレポート作成に集中し、余計なことはあまり考えないように努める。
研究期間の最終日、5人はささやかながら近所のバーでパーティーをした。そして翌朝まで飲み明かす。
ひそかな思いを抱いていた同僚とは笑顔で握手をして別れた。そして理沙の配属先は1週間後に決まることになっている。



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