あらすじ_04_19


宇宙飛行修士号プログラムは、国家資格であるとともに、研究と探検目的でしかなかった宇宙開発を実用と産業段階に発展させるための
産業界からの期待もかかっていた。そのため求められる技術も生物農業から工業技術、果ては法律に至るまで幅が広い。
理沙は士官学校で大学生と共同研究した、核物理学の分野で応募してみることにした。まずは書類審査は通った。
上司の調整で日々の業務は理沙の後進に割り当てられる事になり、修士号取得のために専念できるようになった。
面接試験の際には、士官学校での研究内容について説明し、今後自分が進みたいキャリアと産業界へ貢献したい事について述べた。
士官学校の面接試験の時のような、深層心理を深くえぐるような質問もなく、深読みしていた理沙にとってはあっけないものだった。
あとは結果を待つだけだった。合格するつもりで自分の仕事の整理を始め、信頼できる後進達には試験官たちからの質問を飲んだ場で話した。
理沙は夜空を見上げると、無重力状態の高いところから自分が地上を見下ろしていることを想像していた。



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