あらすじ_05_05


1年はすぐに過ぎてしまった。上司とはその後も仕事上での衝突はあったものの、信頼関係は徐々にではあるが強固なものとなった。
部下は次々と入れ替わり、スキルアップを目指すもの、仕事についてゆけずに民間に転職するもの、様々だった。
理沙は宇宙飛行修士号プログラムに再度挑戦することになった。上司からは推薦も得られ、あとは試験をパスするだけだが、
仕事のポジションが変わってからは、忙しさのために勉強をする時間が十分にとれなかった。さらに前回不合格の反省もまだ出来ていない。
自分が作成した前回のレポートの問題点。内容に魅力がないのは実現性がないからなのか。自分が研究過程で勉強した
核物理学技術を生かして、前回は高効率の小型核融合を考えてレポートを作ったのだが、誰でも考えそうなアイディアだった。
どのようなツールを使用して、どのような過程を踏んで、どのようなゴールを目指すのか。しかし、試験官からは形は示されない。
数日の休暇を取得することができたので、環境が違う場所でレポートを考えようと、クルマで半日ほどの距離にあるホテルに泊まることにした。



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