あらすじ_05_06
外出は久しぶりのことで、午後にホテルに着いたが、疲れていてレポートのことを考えることもなくそのまま寝てしまった。
翌日も考えがなかなかまとまらず、昼食のあともぼんやりと過ごしてしまった。前回の試験官の面談の時のことが思い出される。
よほどレポート内容に魅力がなかったか、理沙の経歴について触れた程度で、レポートの内容に触れた質問は2つしかなかった。
やり方を変えてみよう、もっと大きな視野で。しかしそう思えば思うほど考えは違う方に向かってしまう。そしてあたりはもう暗くなっていた。
米国に来てから今までの事を思い出してしまう。着いて翌日のホテルでの不安な一夜。アパートでの蒸し暑かった夜。
遠くに高級住宅街が見える。そして夜勤の仕事。リストラで職場を追われる。次の仕事のために東海岸に向かう。
巨大空港での乗り換え。大陸中央の巨大ハブ空港で宮殿のようなロビーを観ながら食事をしたことを思い出す。
ふと思いつくことがあった。理沙は横たわったベッドから飛び起きると、夕食を食べるのも忘れて一気にレポートを書き始めた。