あらすじ_05_15
中核メンバーはディスカションを重ねる。そのなかで理沙は自分が考えた木星中心のハブ・スポーク案について自分から問題点を提起した。
現時点でも核融合燃料を調達するための仕組みが確立していない。月面で最近ようやくヘリウム3の採取プラントが稼働を始めたばかりで、
木星をエネルギー供給の中心するためには、桁違いの大量のヘリウム3と水素の調達が必要になるが、木星大気から採取する手法が確立していない。
時期早々だと試験官から指摘された時のことを理沙は思い出した。ではなぜそんな自分が採用されることになったのか。
メンタル女は、中核メンバー全員で考えようと理沙を助けてくれた。そして突拍子もないアイディアが次々に湧いてくる。
理沙は軍の支援輸送部隊の中佐から呼び出された。以前、自分が作ったレポートに興味を持ってくれた人物だった。
彼はあっさりと、自分の考えで理沙を中核メンバーに入れたことを認めた。そして今後事業体の発足後は軍の代表として頑張って欲しいと述べた。
自分は軍の手先であり、太陽系開発事業における軍の持ち駒だということを理沙は痛感した。