あらすじ_08_01


50時間の加速ステージが終わり、「エンデヴァー」は秒速150kmの速度に到達した。惑星や太陽の引力にも影響されずに木星に一直線に進む。
木星到着までの間、乗組員各自は割り当てられた仕事を一日10時間こなす以外は、プライベートの時間を自由に過ごしていた。
船体中央部にある、遠心力で人工的に重力を生み出している居住区の中を、理沙は毎日2キロほどランニングする。
乗組員12人は2つの班に分かれ、12時間の完全交代制の生活をしている。そのため乗組員各6人はお互い昼夜逆転の生活をしている。
後発で参画した理沙は、出発までに読みこなせなかった資料を自由時間を使って読むことにしている。
船内機器の点検で見回っている船長が、資料を読んでいる理沙の個室を覗き込んでいた。理沙は読むのをやめて部屋を出る。
2人は会議室で、木星、土星でのミッションに影響することになるであろう地球国家間の政治の動向について話をした。
政治にはできるだけかかわりたくないというのが他の乗組員の態度だったが、2人にとっては深刻な問題に発展していた。



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