あらすじ_08_06


「エンデヴァー」は木星の大気上層に到着した。理沙も含めた非番の6名は自室で待機する。大気ブレーキの効果で減速Gが徐々に高まる。
部屋の小窓から外を見ると船体は炎に包まれているように見える。揺れが激しくなってきて理沙は壁に強く押さえつけられるのを感じた。
シャトル事故のことをふと思い出し、息が徐々に苦しくなるのを必死にこらえた。通路に置かれていた小物が宙を飛んで壁にたたきつけられる。
たたきつけられる音で、シャトル事故の衝撃がフラッシュバックした。叫び声をあげたくなったが減速Gはその時から一気に低下した。
大気ブレーキが終わり会議室に行くと、散らかっている書類や小物を片付けるのを手伝う。皆疲れて放心状態に見えた。
女性観測員の表情を見るとやはり疲れているように見える。理沙と同じように小物がたたきつけられる音で叫びそうになったようだった。
木星の周回軌道にのった「エンデヴァー」は、最も遠いところでエウロパの軌道と交差するコースをとった。乗組員各自は作業を開始した。
本部からはその後も中国の調査船のデータが届いていた。理沙は軌道データに注目し支援輸送中佐に再度問い合わせのメールをした。



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