あらすじ_08_13
中国の探査船を追いかける軌道をとる「エンデヴァー」は、木星の重力の助けを得るために木星の裏側を抜ける軌道をとる。
木星の雲海を下に眺めながら最大噴射で加速する。理沙は当直だったので指令室で推進システムの動作を見守る。
加速ステージが終わると部屋に戻り、久しぶりの休憩をとった。出発準備のために十分な睡眠がとれていないのでそのまま眠りにつく。
翌日、支援輸送中佐と土星に到着したあとの行動について会話をした。火星と木星の最初の探査の時にも国際問題になったが、
今回の土星一番乗りにあたっては、中国がなんらかの形で領有権を主張することが考えられた。
国際会議の場での中国からの領有権の主張はまだなかったが、最高速の宇宙船を手に入れ、乗組員の中に軍人が含まれている事から、
最初に衛星に着陸したところを領有権を主張し、基地の足掛かりになる場所を確保するのではないかと想定された。
もし最悪の事態になった時には、最前線の軍人として戦ってもらうことも覚悟して欲しいと中佐から言われ、理沙は身が引き締まる思いがした。