あらすじ_08_19
着陸船の中でも、通信の不具合を心配し、女性観測員が「エンデヴァー」との通信回復のために四苦八苦していた。
大気は徐々に濃くなり、着陸船は大気の抵抗で揺れが大きくなる。やがて揺れもおさまり雲を抜けて一気に視界がひらける。
突然に通信が回復したので、女性観測員は船内の状況を伝える。着陸用脚を展開すると抵抗が増えて機体が小刻みに揺れはじめた。
着陸地点には予定通りに着陸できると思われたが、レーダーによる走査では予定のポイントには岩が多いため若干移動することにした。
突然、操作パネル上の警報ランプが光り、アラートが鳴る。推進剤タンクの圧力低下を表示している。しかし推進剤の減少には異常は見られず、
船長には降下続行を伝える。しばらくすると圧力低下表示の警報ランプが消え、アラートも鳴りやんだ。
とはいえ、帰還時に必要な推進剤は確保しなくてはいけない。降下の最後の数十メートルは推進剤残量表示とのにらめっことなった。
エンジン停止。タイタンの弱い重力に着陸脚が軋む音が聞こえる。3人はほっと胸をなでおろした。