あらすじ_08_23
リフティングボディにスリムな翼。原子力ラムジェット機の改造が急遽行われる。本来は木星大気での使用を前提に設計されているため
パワーには十分余裕がある。着陸船を固定する器具がないので、「エンデヴァー」に搭載された予備の固定用グラブを機体の背中に取り付け、
リモートから操作できるように改造が行われる。その他、フル稼働時の放射線量の問題等、バックエンドの技術者の支援を受けつつ、
課題事項の洗い出しと対応方法の策定を行う。ラムジェット機の改造は寝る時間も惜しんで乗組員全員で交代で取り組んだ。
2日間の作業の結果、救出作業手順とタイムチャートが完成し、ほぼ同じ頃にラムジェット機の改造も完了した。
救出オペレーション前日、理沙は画面越しに女性観測員と会話し、彼女を励ました。
前例のない、成功の保証もないオペレーションなので、もしかしたらこれが最後の会話になることも予想された。
最悪の事態も想定しつつも、なぜか理沙の気持ちは冷静だった。失敗するわけがないという不思議なほどの自信と言った方がいいかもしれない。