あらすじ_09_02
遡ること25年前。「エンデヴァー」の木星・土星探査での功績を評価されて、理沙は2階級特進し少佐となった。
地球に帰還すると理沙はさっそく支援輸送中佐のもとに行き、今回のミッションの総括を含めた報告を行う。中佐も昇進して大佐になっていた。
土星への一番乗りレースで、中国と競争となったところに、軍の側からミッションをコントロールするために理沙が派遣され、
結果として、「エンデヴァー」は仕様以上の活躍をしたことで、本部はもとより、軍としても重要な成果を得ることができた。
次は本格的な木星の開発、大佐は理沙に木星開発のための中核的事業体の立ち上げの中心人物になって欲しいと要請してきた。
振り返れば、理沙が宇宙飛行修士号プログラムに挑戦したときに作った技術レポートは、木星を中心とした資源開発に関連したものだった。
理沙は自分の夢にまた一歩近づいたこと、自分の願う方向に自分のまわりの世界が動き出していることが素直に嬉しかった。
しかし、今まで以上の重責と、従える部下たちのことを思うと身が引き締まる思いがした。激動する世界情勢にも否応なく巻き込まれる事だろう。