あらすじ_09_07


「エンデヴァー」と土星一番乗りを競った中国。しかし、2回目の探査に向かった「エンデヴァー」に対して、中国側は計画が頓挫していた。
人口ではインドに抜かれ、国内総生産はまだ世界一の座を保っているものの、国内は一時の勢いを失い、伸び悩んでいた。
急速な高齢化、乱発した開発により作られた大量の社会インフラも同様に老朽化。そして求心力を失った中央政府。
強権なやり方は圧力としては有効でも、柔軟な決定の難しい体制は、地方の荒廃と怒りのマグマを永久に押さえつけることができず、
ついにチベット、モンゴル、ウイグル各自治区で大規模な反乱が起きた。軍が投入されて死屍累々の混乱状態。
その軍ですらも一枚板とはならず、軍と軍同士の戦いも発生し、限定的ではあるが小規模戦術核も使用された。
軍の情報ルートからの中国関連の情報を、支援輸送大佐と理沙は常に気にしていた。この混乱に乗じて想像もつかない行動に出るかもしれず、
まさにその想像もつかない事が起きた。本部の指令室で当直のとき、理沙は支援輸送大佐から呼び出された。



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