あらすじ_09_08


タイタンの領有権を中国政府が突然発表した。火星、木星の場合は国際共同プロジェクトが最初に到着したために問題にならなかったが、
今回は中国の宇宙船が最初にタイタンに着陸したことで、国際共同プロジェクトに先んじたということで今回の発表となり、
宇宙条約に正式に加盟していない中国の突然の行動に、一枚板と思われた国際共同の太陽系開発事業団の内部では論争が起きた。
加盟国39か国、参加企業は数百社を数える巨大企業体ではあるが、根本にはやはり参加各国の利害があった。
太陽系開発事業団を混乱させ、組織を弱体化させることが中国の真の狙いであると支援輸送大佐は見抜き、大佐は長官にさっそく進言した。
巨額の資金が必要となるプロジェクトが今後も続く中、理沙とタスクチームのグランドデザイン作成は続く。
しかし、議論を重ねれば重ねるほど課題は増える一方。基盤となるインフラデザインも複雑化してなかなかまとまりがつかなかった。
そこで理沙は疲弊したタスクチームをいったん休ませることにした。事業体内部の論争がしばらくおさまりそうになかったからだった。



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