あらすじ_09_09
「エンデヴァー」が木星に到着した。前回の探査で実施できなかった原子力ラムジェットのテストが行われた。地上の本部から理沙は見守る。
木星とは約30分程のタイムラグがあるので、船長からの実況報告が頼りだった。機体は「エンデヴァー」を離れ木星上層大気へと降下してゆく。
ラムジェット機からの映像とモニターの数値から、上層大気に突入したことを確認する。大気の抵抗はタイタンでの値をすでに超えていた。
タイタンでは行われなかった、翼上面のスリットから大気を取り入れる作業を開始する。水素とヘリウムの大気がコンプレッサーに取り込まれ圧縮される。
しかし、このままでは木星の大気の抵抗で降下する一方だった。原子力ラムジェット起動の秒読みが行われ、フルパワー噴射が行われる。
一気に上昇してゆく機体。タイタンでは着陸船を背負って頼もしい働きをしてくれたが、今回は木星の高重力のもとでの過酷な飛行となった。
機体にかなりのストレスをかけつつも、ラムジェットの力には余裕があり、上昇を続け再度周回軌道に戻ることに成功した。
採取した大気は数キログラム程度だったが、テストは成功だった。事業化にはまだまだ道のりは遠いが。