あらすじ_09_14
尋問が終わり委員会の会議室を出たところで、理沙はリーダー男と一緒になった。廊下を歩きながら2人は他愛のない会話に終始した。
お互いに話したいことは山ほどあるものの、いざ2人だけになるとなかなか話し出せないものだ。そして玄関で2人は別れた。
「エンデヴァー」の技術流出の問題については、協力会社社員の問題として片付けられ、理沙とリーダー男への責任追及はなかった。
しかしながら、組織体としての責任について議会から追及されることになり、長官は辞任し副長官が長官に就任した。
不正防止のために組織体の体制の見直しが行われ、主要な役員が交代、政府からは監査要員の派遣が行われた。
支援輸送大佐については、軍人であることが立場上問題となり、交代すべきだとの意見が事業団内外からあった。
理沙は常に大佐の事は、よき上司であり、技術的な観点でもバランスの取れた考え方のできる人物であると思っていたが、
世論はそうではなかった。物事を表面的にしか見る事が出来ない大衆は戦犯を血祭りにあげたいだけ。大佐の言葉にはもう力がなかった。