あらすじ_09_18
木星資源開発タスク立ち上げの予算は議会を通過し、正式な案件として認められた。事業が具体化したことで理沙はほっとした。
一方、メンタル女の次世代システムについては議会承認されなかった。明暗を分ける結果となったが、メンタル女には想定の範囲内の結果だった。
次世代システムについては、すでにグローバル企業が非常な興味をもっており、自社の予算でいいから引き取らせてほしいとの声もかかっていた。
議会に予算申請したのはある意味形だけのことで、却下された場合には民間プロジェクトとして存続させようとメンタル女は手を打っていた。
茨城と東海岸の研究施設では、長期間培養した人間の中枢神経をもとに、次世代システムのひな型までできあがっていて、
実証実験の場が設定されれば、すぐに次の段階に進める準備ができていた。
しかし、失敗した時の社会的影響は計り知れないほどに大きいため、優先順位を名目として、次世代システムは表舞台からいったん消える事になった。
反対に、木星資源開発は事業団の中では正式プロジェクトとなった。あとは規模拡大に向けて着実に進むだけだった。