あらすじ_14_05
まだ木星の重力を脱出するまでのスピードに到達していなかったので、高速艇は急遽プラットフォームCに戻ることになった。
システムが非常を告げるアナウンス音はまだ続いている。技術者2人が理沙の前を通って動力区画に向かうのを眺め、とりあえず部屋に戻ることにした。
何か手伝えることがないだろうかと理沙は考え、部屋の前を再び通った技術者に現在の状況を尋ねると、動力システムの異常だと答えた。
理沙は自分自身も技術者だと説明したが、丁重に断られ、再び部屋に戻ることになったが、仕事の続きを始めてまもなくアラート音が高く鳴った。
照明も非常灯になり、船長が部屋にやってきて救命ボートへの一時避難を指示されたので、リーダーを探しに部屋に行ったがいなかった。
他の4人を探そうとしたところでリーダーと廊下で会い、リーダーから先に救命ボートに入るよう指示されたので、理沙は一人で先に救命ボートに入った。
救命ボートの中で他の5人を待ちながら、船内アナウンスから聞こえてくる声から作業の状況を想像していた。
突然、救命ボートのドアが閉まった。切り離しの秒読みが始まり、理沙はどうやって止めたらいいのかと操作パネルを探した。