あらすじ_14_06
船内と連絡を取ろうと、理沙は通信機のマイクを取り呼び出しボタンを押したが反応はなく、その間にも切り離し秒読みは進行していた。
3分間の秒読みは終わり、救命ボートは高速艇から切り離された。後方に向けて切り離された救命ボートの窓から動力区画の全体を見たが、
特に異常は見られないようだった。とにもかくにも高速艇と連絡を取りたいのだが、通信機が全く使い物にならないようだった。
窓から船の全体が見えるようになったのはつかの間の事、高速艇の推進システムが少しの間動作し、救命ボートとの距離が急速に広がる。
何事が起きたのかと船内でも慌てていることが推測されたが、通信が出来ない事には何も確認する手段がない。
離れてゆく高速艇のことをボートの窓から眺めるしかない理沙。ふと思いついて非常食などが入っているコンテナの中を探し発光弾を見つけ、
発射装置にセットした。説明書を読み発射手順を確認していたその時、強烈な光が窓から差し込んできた。
高速艇が見えている方向に、強烈な光が見えたがすぐに消えてしまった。やがて何物かが次々に飛んできて、救命ボートが小刻みに揺れた。